シングルマザーで住宅ローンは大丈夫?必要な条件はなに?

不動産

「シングルマザーでもマンションを購入することは可能でしょうか?」 「シングルマザーが住宅ローン審査に通るには、どのくらいの年収が必要になるのでしょうか?」と疑問を抱いているかもしれません。

結論から言うと、シングルマザーであってもマンションの購入は可能です。

条件を満たせば、母子家庭でも十分に住宅ローン審査に通ることができます。

この記事では、住宅ローン審査で重要視されるポイントや、マンションを購入するために必要な年収、さらにシングルマザーがマンションを購入することのメリットについて詳しく解説していきます。

また、後半ではシングルマザーや母子家庭をサポートするための補助金や手当についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

住宅ローンで重視される項目

シングルマザーまたは母子家庭の方でも、住宅ローンの申請をすることは可能です。

ただし、住宅ローン審査にはいくつかの要点がありますので、注意が必要です。

住宅ローン審査で「家族構成」は重視されない

結論として、シングルマザーや母子家庭の方が住宅ローン審査で不利になることはほとんどありません。

2020年度に国土交通省が実施した調査によると、約1,200の金融機関のうち23.7%のみが住宅ローン審査において「家族構成」を審査項目としていました。

つまり、70%以上の金融機関は「家族構成」に関しては審査の対象外としています。

また、審査に「家族構成」が影響する金融機関であっても、それを最重要視しているわけではありません。

もちろん、一部の金融機関では「家族構成」に対して厳しい審査基準があるかもしれませんが、それは全ての金融機関に当てはまるわけではありません。

もし1つの金融機関で審査が通らなかったとしても、他の金融機関の審査にチャレンジすることで、住宅ローンを取得することができます。

したがって、シングルマザーや母子家庭の方も住宅ローンの申請に積極的に挑戦することが大切です。

住宅ローン審査は様々な要素で判断されますので、「家族構成」以外の面で自信を持ち、他の審査項目をしっかりクリアすることが成功への道です。

金融機関の選定や条件交渉なども上手に行うことで、住宅ローンの取得がよりスムーズになるでしょう。

重視されるのは「年収」と「勤続年数」

住宅ローンの審査では、いくつかの重要な項目が考慮されます。

前述の国土交通省の調査によれば、審査の対象となる金融機関の90%以上が以下の項目を審査の重要な要素としていました。

まず、健康状態が最も重視されました(98.6%)。

借り手の健康状態は、ローンの返済能力に直接関係しています。

悪い健康状態では返済に支障が生じる可能性があるため、金融機関はこの項目に重きを置いています。

次に、借入時の年齢(98.3%)と完済時の年齢(97.7%)が重要な要素とされました。

これは、借り手が返済を完了する年齢に関するものです。

金融機関は、借金返済が適切な期間内に完了することを望んでいます。

このため、借り手の年齢が返済期限と適合しているかどうかが検討されます。

勤続年数(95.7%)や年収(95.6%)も審査の重要な要素です。

借り手の経済的な安定性を評価するために、借り手の勤続年数や年収が考慮されます。

長期間にわたり安定した収入があれば、返済能力が高くなる可能性があります。

したがって、これらの情報は重要視されます。

また、返済負担率(92.1%)も考慮されます。

返済負担率は、借り手の収入に対する返済額の割合を示します。

返済額が借り手の収入に比べて高い場合、返済が困難になる可能性があります。

金融機関は、借り手が返済負担を適切に背負えるかどうかを確認するために、この指標を注視します。

これらの項目は、家族構成に関係なくすべての借り手に当てはまります。

ただし、借入時や完済時の年齢には自分で変えることができない要素もあります。

しかし、シングルマザーや母子家庭の場合でも、健康状態の良さや十分な年収・勤続年数をアピールすることで、住宅ローンの審査に通る可能性があることが分かります。

マンションを購入するのに必要な年収

シングルマザーや母子家庭の方でも、返済可能性を示せればマンションの購入は可能です。

返済可能性は主に「年収」と関連していますが、具体的にはどのくらいの年収が必要なのでしょうか・・・。

年収150万円以上が必須

住宅ローンの審査に通るためには、年収が150万円以上であることが必要です。

しかし、実際には200万円から300万円程度の年収が求められることが一般的です。

国土交通省が実施した「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関では年収を審査の基準として以下のような水準を設定しています。

100万円以上(272件)、150万円以上(550件)、200万円以上(97件)、250万円以上(18件)、その他(164件)となっています。

調査結果から分かるように、最も多い基準は年収150万円以上であり、次に多いのは100万円以上です。

また、厚生労働省が行った平成28年の調査によると、シングルマザーの平均年収は243万円となっています。

このことから、年収が100万円以上であれば、住宅ローンを組むことが可能な金融機関も存在することがわかります。

そのため、シングルマザーでもマンションを購入するのは決して難しいことではありません。

ただし、実際には年収100万円のシングルマザーが住宅ローンの返済を行うのは難しいと言えます。

返済を計画的に余裕を持って行うためには、少なくとも年収150万円以上であることが望ましいです。

もし可能であれば、年収200万円から300万円程度あれば、さらに余裕を持った返済計画が立てられます。

年収に対する返済負担率が重要

住宅ローンの審査では、年収に対する返済額の割合を示す「返済負担率」が重要視され、返済負担率が適切な範囲内に収まるようにする必要があります。

金融機関によって返済負担率の目安は異なりますが、以下の数値を参考にすると良いでしょう。

年収100万円以上300万円未満:返済負担率20% 年収300万円以上450万円未満:返済負担率30% 年収450万円以上600万円未満:返済負担率35% 年収600万円以上:返済負担率40% ただし、これらの数値は金融機関が審査に用いる指標であり、返済が無理のない範囲で行える場合は、これよりも若干高い水準を目指すことがおすすめです。

例えば、世帯年収が300万円でシングルマザーの場合、審査に通る返済負担率は30%となり、年間90万円、月間7万5,000円の返済が必要になります。

しかし、年収300万円の手取りは240万円で、月収は20万円程度です。

そのため、住宅ローンの返済を差し引いた後は、月に残り12万5,000円しか生活費が残りません。

この状況では貯蓄をすることが難しく、何か予期せぬ出費や子供のための費用にも充てる余裕がない可能性があります。

そのため、シングルマザーがマンションを購入する際には、現実的に継続して支払いができる返済負担率を設定することが重要です。

個人によって異なる場合がありますが、手取り収入の20%から25%程度の返済負担率を目標に借り入れを行うと、将来の万が一に備えながらも余裕を持った返済計画を立てることができます。

マンション購入をするときのチェックポイント

シングルマザーがマンションを購入する際には、いくつかの重要なチェックポイントを考慮する必要があります。

ライフステージに対応できるか

ライフステージに応じたマンションを選ぶことは重要です。

たとえば、子供が成長し、自立するかもしれませんし、二世帯で一緒に住むことも考えられます。

また、将来的には再婚の可能性もあります。

家族が増えた場合、リノベーションをすることもできますし、一人で住むには広すぎる場合は売却したり、賃貸に出すこともできます。

マンションを選ぶ際には、ライフステージが変化しても後悔しないように考えることも重要です。

管理費・修繕積立金は考慮しているか

マンションを購入した後は、ローンの返済以外にも固定資産税や管理費、修繕積立金の支払いが必要になることを把握しておきましょう。

これらの費用は、ローンが完済された後も継続して発生します。

マンションを購入する際には、ローンの返済額だけを考慮するのではなく、これらの費用も含めて「年間で総額いくら必要になるのか」を計算してください。

そうでないと、思いがけない出費で生活費が苦しくなる可能性があります。

必要な経費をしっかり計画し、マンションの購入を検討してください。

子育てしやすい周辺環境であるか

マンションを購入する際には、子育てをしやすい環境が整っているかどうかを必ずチェックする必要があります。

なぜなら、マンションを購入すると住み替えが容易ではないため、長期間にわたって住み続けることを前提として周辺環境も重要な要素となるからです。

まず、周囲に保育園や学校があるかどうかを確認してください。

子供の通学や保育には近くに施設があることが重要です。

また、職場との距離も考慮してください。

通勤に時間を費やしすぎると、仕事と子育てを両立することが難しくなる可能性があります。

さらに、病院や役所が近くにあることも大切です。

子供が病気になったり、手続きが必要になった場合には、近くに適切な施設があると便利です。

最後に、治安の状況も確認しましょう。

子供を安心して外で遊ばせるためには、周囲の治安が良いことが重要です。

犯罪が多い地域では、子育てに不安を感じる可能性があります。

子育てと仕事を両立するためには、日常生活を送りやすいマンションを選ぶことが重要です。

以上のチェックポイントをしっかりと確認し、総合的に判断してマンションを選びましょう。

まとめ

シングルマザーの方がマンションを購入する際には、住宅ローンの審査でシングルマザーであることが問題になることはありません。

審査では、健康状態や年収、勤続年数などが重視されます。

返済能力をアピールすることができれば、マンションの購入は十分に可能です。

シングルマザーがマンションを購入することには、たくさんのメリットがあります。

まず、マンションは自分と子供の資産になります。

また、セキュリティがしっかりしているので、安心して暮らすことができます。

さらに、団体信用生命保険に入ることができるので、もしもの時にも安心感があります。

また、マンションではリフォームやリノベーションも可能です。

もし資金面で不安がある場合には、児童手当や児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度などの補助金制度や手当を最大限に活用することができます。

しかし、注意点として、住宅購入には登記費用や司法書士費用、手付金などの諸費用が別途現金でかかるということです。

また、住宅ローン控除などの専門的な知識をベースに資金計画を立てないと損をする可能性がありますので、住宅ローンを組む際には、住宅購入のプロに相談しながら計画を立てることが必要です。

また、住宅ローン控除やすまい給付金などの控除制度についても、しっかりと情報収集することが重要です。

これらの制度をうまく活用することで、より経済的にマンションを購入することができます。

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