物件探し前や物件探し中に事前審査を受けるメリットやデメリットについて解説します。
住宅ローン事前審査とは
住宅ローンの審査は2種類あります。
事前審査と本審査
住宅ローンは、長期的な返済が必要な借り入れの形式です。
借り入れ額は通常数千万円にもなります。
住宅ローンを利用するためには、まず事前審査に合格しなければなりません。
事前審査に合格することで、本審査を受ける資格を得ることができます。
金融機関は、住宅ローン契約を結ぶ借り手が返済能力を持っているかどうか、もしも返済が困難になった場合には、物件を担保として回収することができるかなど、貸し倒れのリスクを回避するために審査を実施しています。
審査では、借り手の収入や雇用状況、現在の債務状況など様々な要素を考慮し、借り手が返済能力を持っているかを判断します。
事前審査では、おおまかな情報を提供することで、借り手の返済能力を大まかに評価します。
その後、本審査では、より詳細な情報が提供され、借り手の返済能力や信用状況をより詳しく評価します。
これらの審査を通過しなければ、住宅ローンの契約を結ぶことはできません。
したがって、住宅ローンを利用するためには、返済能力があることや信用状況が良いことが重要です。
審査を通過するためには、申し込む前に十分な準備を行い、借り手としての信頼性を高める必要があります。
これにより、安定した住宅ローンの契約を結ぶことができます。
書類や審査項目が違う
事前審査と本審査では審査項目や審査にかかる期間が異なりますが、事前審査を行うことで、住宅ローンを利用することが可能かどうか、売買契約を交わす前に確認を行うことができます。契約者の収入や職業など、自己申告によって審査が行われ、ローンの返済が可能であると判断された場合は、晴れて住宅ローンの本審査を受けることが可能になります。
物件が決まる前の事前審査
住宅ローンの事前審査は、基本的には物件や土地の売買契約を結ぶ前ならいつでも受けることができます。
つまり、購入を検討している物件が見つかったら、いつでも審査を受けることが可能です。
実際、建売住宅や分譲マンションなど、すでに完成されている物件の購入を検討している場合、多くの人は気に入った物件が見つかったタイミングで事前審査を受けます。
また、注文住宅を建てる場合は、事前に建築費用の概算が出た時点で一度事前審査を受けることになります。
つまり、建築費用の見積もりが出来上がり、借り入れ可能な金額が分かったら、すぐに審査を受けることができます。
このような事前審査は、あくまで借り入れが可能かどうかを確認するためのものです。
したがって、購入の予定がなかったとしても、将来的に住宅ローンを利用する可能性がある場合には、早い段階で事前審査を受けることをおすすめします。
そして、実際に購入を決めた際には、事前審査で借り入れが可能とされた金額を超えないようにすることが大切です。
物件が決まる前の事前審査がおススメ
実は、住宅ローンの事前審査は、物件を選ぶ前に受けることがおすすめです。
事前審査とは、銀行や金融機関が個人や世帯の収入や資産などを審査し、借入可能な金額や金利などを判断するプロセスのことです。
なぜ物件を決める前に事前審査を受けることがおすすめなのでしょうか?その理由は以下の通りです。
自分の借入可能額が分かり物件選びが可能
住宅ローンを借りる前に、事前審査によってどのくらいの金額まで借りることができるのかを確認することは非常に重要です。
この事前審査によって、自分の収入や勤務形態などを考慮した上で、借入可能な額が分かります。
この借入可能額が分かれば、購入を検討している住宅の予算を設定することができます。
つまり、自分が借りられる金額に合わせて、どんな価格帯の物件を探すべきかを具体的に考えることができます。
また、事前審査を受けることで、借入可能な額を把握することはだけでなく、実際に住宅ローンを組む際の目安としても役立ちます。
自分の収入や勤務形態を考慮した上で、借りることができる金額を知っておくことで、将来的な返済計画を立てることも可能です。
何かしらの理由で物件を見つけたとしても、収入や勤務形態などを基にして行われる事前審査の結果、期待していたほどの借入金額が実現できず、実はローンが組めないという状況に陥ることもあります。
しかし、事前審査を受けておけば、そのようなリスクを未然に防ぐことができます。
つまり、事前に事前審査を受けて借入可能な額を把握しておくことは、物件探しや購入をより具体的に検討する上で非常に役立つのです。
お気に入りの物件を見つけた時に、思ったほどの借入金額が実現できるかどうかを事前に確認しておくことで、後悔やローンの問題を回避することができるというわけです。
複数の銀行へ申込みを行う事も可能
また、住宅ローンを申し込む際には、事前に複数の金融機関に申し込むこともできます。
これにより、気に入った物件があれば、一度に複数の金融機関で事前審査を受けることができます。
本審査では、事前審査よりも時間がかかる場合もありますが、事前審査では早い場合には即日で回答がもらえることもあります。
住宅購入を検討している方にとっては、事前審査は役立つ手段と言えます。
返済計画に無理が無くなる
無理のない返済計画を立てるためには、まず住宅ローンの予算を設定しましょう。
これによって、どのような住宅を購入するかを検討することが重要です。
住宅ローンを返済する最初の数年間は問題なく返済できていても、将来的には他の費用も増えることに注意が必要です。
家計が苦しくなる可能性もありますので、事前に物件が決まる前に事前審査を受けることをおすすめします。
事前審査を受けることによって、住宅ローンの借入可能額、返済可能な年数、金利などについて理解することができます。
これは物件を探す前や不動産業者に相談する前に行うことができます。
事前審査を受けることで、客観的に住宅購入の予算について判断することができます。
これにより、具体的な物件探しを始めることができます。
しかし、事前審査を受ける際には、個人情報や収入証明書が必要になることに注意が必要です。
物件が決まる前に事前審査を受けるメリット・デメリット
まずはメリットを見ていきましょう。
メリット
住宅ローンを申請する前に行われる事前審査では、通常、所得証明書である源泉徴収票や購入予定の物件に関する情報などが必要となります。
また、すでに他のローンを借りている場合には、そのローンの明細も提出する必要があります。
しかし、まだ購入予定の物件が決まっていない場合でも、いくつか気になる物件情報を参考にして、事前審査を受けることができます。
これには以下のようなメリットがあります。
住宅ローンの借入可能額が把握できる
住宅ローンを借りる際には、まず事前審査が行われます。
この審査では、あなたの収入や貯蓄、借入状況などを考慮し、借入可能な金額が算出されます。
この借入可能額は、購入したい物件の予算を把握するための目安となります。
つまり、事前審査を受けることで、物件探しを効率的に進めることができます。
もし事前審査をせずに物件探しを始めてしまうと、気になる物件に出会ったとしても、借入可能な金額が足りないために諦めなければならないかもしれません。
このような結果を避けるために、事前審査を受けることは非常に重要です。
事前審査を受けることによって、チラシやネットで物件を探したり、実際に内見をするために費やす時間をムダにすることを防ぐことができるのです。
なぜなら、借入可能な金額を把握しているため、自分の予算内の物件に絞って探すことができるからです。
時間と労力を無駄にすることなく、効率的に理想の家を見つけることができるのです。
これは、事前審査の大きなメリットと言えるでしょう。
ローン返済額によって資金計画が立てやすい
さらに、ローン返済額の目安が分かることで、将来の資金計画が立てやすくなるという利点もあります。
不動産会社に相談する前に事前審査を行うことで、自分自身で資金計画を立てることが可能になるのです。
事前審査を受けると、借入可能な額だけでなく、具体的なローン返済額を把握することができます。
これにより、将来の返済負担や生活費とのバランスを考えながら、資金計画を立てることができるのです。
不動産会社に相談する前に事前審査を行っておくことで、自分たちの意思で資金計画を立てることが可能となります。
返済負担が大きくなりすぎないように計画的に借入を行うことができるので、将来にわたる安心感が得られます。
また、事前審査を受けることで、自分たちの収入や支出の状況を客観的に把握することができます。
現在の生活スタイルを見直したり、収入を増やすための努力をするなど、資金計画の改善につながる可能性もあるのです。
つまり、事前審査を行うことは、将来の資金計画を立てるための重要なステップとなります。
不動産購入を検討する際には、事前審査を受けて借入可能額やローン返済額の目安を知ることをおすすめします。
自分たちの意思で資金計画を立て、将来に備えた安心した生活を送ることができるのです。
指値交渉がしやすくなる可能性もある
不動産仲介業者や他の関係者を通じて土地や物件を購入する際、初めから事前審査に合格している場合、これは売主にとっても安心感を与えることができます。
そのため、売主との指値交渉や値引き交渉がしやすくなる可能性があります。
住宅購入の際に話をスムーズに進めることができる
住宅ローンを本格的に組む際には、不動産仲介業者や金融機関との交渉がスムーズに進むことが多いです。
しかし、自営業者や転職したばかりの方など、収入が多くても実際にどれくらいの住宅ローンを借りることができるのか、自分たちでは判断しづらい場合もあります。
そんな状況でも、事前に審査を受けることで、安心して物件探しを始めることができます。
審査を受けることで、自分たちの収入や支出状況を確認し、利用できる住宅ローンの範囲を知ることができます。
これにより、予算内で探すことができ、無駄な時間や労力をかけずに希望の物件を見つけることができます。
また、不動産仲介業者や金融機関にも対しても、自分たちの現在の状況を明確に伝えることができます。
それにより、彼らはより具体的な提案やアドバイスをしてくれることができます。
つまり、事前審査によって、住宅ローンを組むために必要な情報を把握し、スムーズに物件探しを進めることができるのです。
デメリット
次に、物件が確定する前に事前審査を受けることにデメリットがあります。
事前審査は簡易的な審査であり、事前審査に合格したからと言って、本格的な審査でも必ず合格するわけではありません。
以下にデメリットを紹介します。
事前審査の借入可能額と実際に返済できる額は異なる
住宅ローンの事前審査によって算出される借入可能額は、借りることができる最大の額です。
しかし、この額には今後の教育費や老後の資金、日常生活費などは考慮されていませんので、注意が必要です。
したがって、借入可能額を計算する際には、将来のライフスタイルや経済的な目標を考慮し、返済能力を慎重に判断する必要があります。
住宅ローンは長期間にわたる負債ですので、将来の不安要素や予期しない出費にも対応できる余裕を持つことが大切です。
家族構成やライフプランなどにより、予算が変わる可能性がある
現在は少し余裕があっても、家族が増えたり子供の進学先によっては、返済に困難が生じることがあります。
実際に返済する金額は、将来も継続的に返済することができるかどうかを、将来の生活計画を考慮しながら検討する必要があります。
物件の内容によっては本審査に通らない場合がある
また、事前の審査では、購入しようとしている物件が適切に審査されているとは限りません。
もし物件が建築基準法を守っていなかったり、その物件自体に価値がなかったりする場合、本格的な審査では通過しない可能性があります。
ですから、物件を選ぶ段階で、物件の状態などの詳細情報にも注意を払う必要があります。
まとめ
具体的な物件を探していなくても、事前審査を受けることで、自分が借入可能な金額やローンの返済期間を事前に理解することができます。
これは住宅を購入する際に役立ちます。
通常の住宅ローンでは、物件を決めてから事前審査を受け、審査結果が得られるまでに3~4日の時間がかかることが一般的でした。
そのため、気に入った物件を見つけてから事前審査を受けたとしても、結果として借入可能な金額が自分の予想よりも少なかったり、購入を希望する物件が審査の条件を満たせなかったりすることがあります。
そのような場合には、再び物件探しをするために時間や手間がかかってしまいます。