マンション 大 規模 修繕 費用 相場 はいくら?一時金の徴収はあるのか解説!

不動産

マンションの大規模修繕には、建物の劣化や不具合を修繕するための費用が必要です。

怠るとマンションの資産価値が下がってしまうリスクがあります。

大規模修繕には数千万円の工事費用がかかることもありますので、事前に十分な資金を用意し、計画的に進める必要があります。

本記事では、大規模修繕にかかる費用の内訳と、費用を抑えるコツについて詳しく説明します。

マンションの大規模修繕にかかる費用とその内訳

大規模修繕について詳しく知っておくことで、費用不足や過剰な費用をかけることのリスクを避けることができます。

大規模修繕費用の内訳: 一般的に、大規模修繕費用は、一戸あたり約75万円から125万円が相場とされています。

この金額を、約12年の期間で積み立てて修繕に充てるようにしましょう。

ただし、マンションの規模によって必要な修繕総額は異なるため、あらかじめ費用の概算を計算し、毎月の積み立て額を決める必要があります。

費用を抑えるコツ: マンションのある自治体によっては、大規模修繕工事の内容によっては助成金や補助金を受け取ることができる場合もありますので、自治体に確認することも大切です。

また、大規模修繕をコンサルタントに任せる場合は、コンサルティング費用がかかります。

一般的には、工事総額の約5~10%がコンサルティング費用の目安です。

例えば、工事に1,000万円かかる場合、コンサルティング費用は約50万円から100万円程度となります。

費用が高く感じるかもしれませんが、信頼できるコンサルタントに依頼すると、自分で施工会社に直接依頼するよりも総工事費を100万円以上安く抑えることができることも珍しくありません。

さらに、コンサルタントに依頼することで、施工会社によるトラブルのリスクも低く抑えられます。

このように、コンサルタントに依頼することは大きなメリットがありますので、その費用も計算に入れておくことをおすすめします。

外装塗装工事の費用相場と期間

外装塗装工事では、一般的に1平方メートルあたり3,000円から7,000円が相場とされています。

しかし、自身のマンションの外壁の状態によっても費用は変動します。

まず、塗装する外壁の面積に応じて見積もりが行われます。

そして、塗料の種類によっても費用は大きく変わります。

例えば、シリコンやフッ素、ラジカルといった一般的な塗料ならば、3,000円から4,000円/平方メートルが相場です。

一方で、セラミックや光触媒、無機塗料といった特殊な塗料を使う場合は、5,000円/平方メートル以上がかかることもあります。

また、外壁塗装工事の期間は、マンションの規模によっても異なります。

小規模なマンションの場合、工事期間は1ヶ月から3ヶ月程度です。

一方で、50戸以上の大規模なマンションでは、工事期間は3ヶ月から5ヶ月程度が目安とされています。

更に、非常に大きなマンションの場合、工事には半年以上を要することもあります。

具体的な工程としては、まず足場を組んで塗装する範囲全体に高圧洗浄を行います。

次に、ひび割れやサビなどの下地処理を施し、養生をしてから塗料の塗布が始まります。

このように、外壁塗装工事には複数の工程が関わるため、時間がかかることがあります。

以上のようなことから、外装塗装工事には相応の費用と時間がかかることが分かります。

マンションの外壁の劣化具合や塗装する範囲、使用する塗料の種類などを考慮しつつ、適正な価格と工事期間を把握することが重要です。

マンションの防水工事における費用相場と工法

マンションの防水工事は、建物の種類や工法によって費用相場が異なりますが、一般的にはウレタン塗装防水が用いられることが多いです。

特にバルコニーや共有廊下、階段などでは防滑性塩ビのシート防水が一般的です。

防水工事はマンションにおいて必須の工事です。

屋根などは紫外線や風雨によって劣化が激しいため、必ず防水工事を行う必要があります。

給水や排水関係の費用相場と工事のポイント

給水や排水関係の工事においては、1棟あたりの費用相場は70~200万円になります。

ただし、マンションの戸数が多いほど費用も高額になります。

使用されるパイプは一般的に20年ほどの耐用年数がありますが、配管の交換工事は時間と費用がかかるため、大規模修繕の時期に合わせて不具合がなくても交換することがおすすめです。

給水管の工事では仮設ホースが必要になるため、排水管の工事中は入居者が水道を使用できなくなります。

そのため、事前にスケジュールの説明を入居者に行うことが重要です。

足場や飛散シートの費用相場

外壁工事に使用する足場や飛散シートの相場は、1㎡あたり600~1,500円です。

ただし、足場の種類によって費用が異なることがあります。

大規模修繕の主な修繕箇所と費用の相場

大規模修繕における主な修繕箇所は以下の通りです。

1. 外装・外壁

2. 共有部分(廊下や階段など)

3. 設備(電気、給水、防火など)

4. シーリング

5. 屋上やバルコニー 上記の箇所は大規模修繕において重要な修繕箇所です。

しかし、大規模修繕前の建物診断結果によっては、これら以外にも修繕が必要な箇所がある場合もあります。

大規模修繕では各箇所の修繕費用は異なります。

建物の種類や修繕内容によっても費用は変動しますが、参考として上記の費用相場を考慮しておくと良いでしょう。

建物の外観や外壁の修繕

建物の外観や外壁の修繕

建物の外観や外壁の修繕工事では、補修や防水工事、洗浄などの作業を行います。

例えば、外壁のクラックや傷を修復したり、防水処理を施したり、汚れを洗浄したりします。

これらの工事を一度に行なうことで、足場を組む手間を一度で済ませることができ、時間と費用を節約できます。

修繕工事を行う前には、建物の外壁や屋根、屋上などを目視または専用の機器を使用して調査することが一般的です。

この事前の検査は、建物の劣化状態を確認し、適切な修繕工事をするために必要です。

外壁の汚れを放置すると、建物の美観が損なわれ、資産価値が下がる可能性があります。

さらに、劣化が進むと雨漏りなどの問題を引き起こし、建物全体が損傷するだけでなく、快適な生活空間も損なわれてしまう恐れがあります。

そのため、外装や外壁の修繕工事はしっかりと行う必要があります。

共有部分の修繕

マンションの廊下や階段などの共有部分では、一般的には劣化した部分のみを修繕することが一般的です。

しかし、共有部分の修繕には駐車場設備やエレベーター、セキュリティシステムなども含まれます。

これらの共有部分の修繕は、場所が多いために費用や時間がかかることがあります。

また、機器類の点検や補修には専門知識が必要な場合も多いため、早めに専門業者に相談することがおすすめです。

電気・給水・防火設備の修繕

電気、給水、防火設備などの修繕も建物の修繕工事に含まれます。

これらの設備には、耐用年数が設定されており、それに応じて定期的な修繕や交換が必要です。

特に、防火設備はマンションなどの共同住宅において重要な設備です。

共同住宅の火災は大規模な被害をもたらす可能性が高いため、万が一の火災に備えるためにも、きちんと管理していく必要があります。

シーリングの修繕

シーリングも雨や紫外線によって劣化するため、定期的な修繕が必要です。

シーリングは外壁やサッシの周りなどに充填される材料のことで、一部では「コーキング剤」とも呼ばれています。

シーリングの劣化が進むと、絶縁や防水効果が損なわれる可能性があります。

そのため、定期的なシーリングの修繕を行うことで、建物の耐久性や効果を維持することが大切です。

シーリング補修工事の種類とそれぞれの特徴

シーリングの補修工事には、打ち替え工事と打ち増し工事の2種類があります。

打ち替え工事

打ち替え工事は、既存のシーリング材を完全に取り除き、新しい材料を使用して施工する方法です。

この工事では、古くなったシーリング材をすべて交換するため、劣化が進んでいる場合に適しています。

なお、打ち替え工事は手間がかかりますが、材料の選択肢が広がるため、耐久性や断熱性などの性能を重視することができます。

打ち増し工事

打ち増し工事は、既存のシーリング材の上から新しい材料を追加して補強する方法です。

この工事では、既存のシーリング材が部分的に劣化している場合や予算の都合で打ち替え工事が難しい場合に適しています。

材料の追加と補強の作業により、シーリングの劣化を防ぎつつ費用を抑えることができます。

屋上やバルコニーの補修工事

屋上やバルコニーも風雨や日光にさらされることで劣化が進みます。

そのため、定期的な補修が必要です。

主な工事内容は、防水工事と鉄部品の錆びの除去です。

屋上やバルコニーの防水工事は、雨漏りを防ぐために行われます。

また、鉄製のフェンスなどは雨により錆びることがあり、錆びた箇所を取り替えることもあります。

大規模修繕工事の流れと注意点

大規模修繕工事の主な流れは以下の通りです。

1.マンションの診断:築10年または前回の修繕工事から10年を目安に、建物の調査・診断を行います。

これにより、マンションの劣化状況を把握できます。

2.施工会社の選定や説明会:適切な施工会社を選定するために、複数の会社の見積もりを比較し、説明会に参加して工事内容を詳しく確認します。

3.工事とアフターケア:工事の実施とその後の点検・修正などのアフターケアを行います。

長期修繕計画に従って工事が進められます。

注意点としては、長期修繕計画にのみ頼らず、オーナー自身も大規模修繕の流れを把握しておくことが重要です。

流れを理解しておかないと、後にトラブルが生じる可能性があります。

築年数や定期的な診断にも注意し、適切な工事を適正な費用で実施することが求められます。

手続きについて詳しく解説

建物診断を受けるためには、マンション管理業協会などに申請を行う必要があります。

診断結果に基づいて実際に必要な修繕費用が算出されますが、この費用はマンション側が負担することになります。

したがって、マンションの住民の皆様には事前に十分な説明を行い、納得していただく必要があります。

修繕費用の負担について疑問や不明な点がある場合は、私たちが詳しくお答えしますので、お気軽にご相談ください。

また、マンション大規模修繕の周期や準備のタイミングについても、以下の記事をご参考になさってください。

役に立つ情報が記載されています。

マンション大規模修繕の施工会社選定と説明会について

次に、修繕工事を依頼する施工会社を選定することになります。

ただし、施工会社の選定をコンサルティング会社に任せる場合は例外です。

自分で施工会社を選ぶ際には、その会社の過去の実績を重視することをお勧めします。

施工実績のない会社を選ぶと、工事費用は抑えられても品質に問題が生じる可能性があります。

ですから、過去の実績やアフターサービスにも注目して、信頼できる施工会社を選ぶようにしましょう。

施工会社が決まったら、工事内容やスケジュールなどを住民に詳しく説明する必要があります。

工事の内容や進捗状況によっては、住民の方々に一時的な不便を強いることもあるかと思いますが、事前の説明は絶対に省かないようにしましょう。

トラブルや不満を避けるためにも、住民の皆様から理解を得るために丁寧な説明が欠かせません。

工事の進行とアフターケアについて

住民への説明を完了し、いよいよ修繕工事が始まります。

大規模修繕工事では、住民が日常生活を送りながら工事が行われることが一般的です。

工事によっては、洗濯物を外に干せなくなったり、騒音が発生したりして、住民の方々にストレスがかかる可能性があります。

そのため、工事の進捗状況や終了予定日などは、掲示板などに明記するようにしましょう。

工事が完了したら、予定通りに修繕が行われているかを確認する必要があります。

施工の状況が次の修繕工事にも影響を及ぼすこともあるため、細かな部分まで確認を怠らないようにしましょう。

問題なければ、入居者に工事完了の連絡をしてください。

また、この時に工事に関するアンケートを実施することで、改善すべき点を次の修繕工事に反映することができます。

住民の要望や意見を大切にし、より良い修繕工事を実現しましょう。

大規模修繕の費用を抑えるためのポイント

1. 施工会社に完全に任せない 大規模修繕工事を一括して発注する場合でも、全てを施工会社に丸投げするのは危険です。

自分自身も積極的に関与し、工事について検討してください。

例えば、足場の取り付け方法によって費用を節約できることがあります。

施工会社が高額な方法や材料を選ぶ可能性もあるため、コミュニケーションを重ねて進めましょう。

また、施工会社への依存度が高い場合、談合のリスクにも注意が必要です。

談合は、コンサルタント会社と施工会社が癒着し、工事費用を意図的に高く設定して、その見返りとして不正に利益を得る行為です。

施工を全て委託することで管理会社の手間を軽減できますが、第三者のチェックが入らないため、費用が高額になる可能性があるので注意しましょう。

談合や市場価格よりも遥かに高い請求を避けるためにも、設計監理方式で修繕設計と工事を分離することがおすすめです。

2. 補助金や助成金を利用する 国や自治体が設ける補助金や助成金は、大規模修繕工事に活用することができます。

これらの制度に申請し、審査に通れば、一部の費用を補助してもらえることがあります。

補助金や助成金は、地域の特定の条件や要件を満たす必要がありますが、それに合致する場合は、負担を軽減できる絶好のチャンスです。

「住宅リフォーム・リノベーション支援制度」や「地方自治体の耐震化支援制度」など、多くの制度が存在しますので、まずは周辺の行政機関に問い合わせてみましょう。

マンションの長期優良住宅化に関する補助金や助成金の利用方法

マンションの長期優良住宅化に該当する場合、防音工事やバリアフリー化などの支援を受けることができます。

ただし、補助金や助成金の内容は自治体によって異なるので、十分に注意が必要です。

マンションがある都道府県や市区町村でどのような補助金や助成金があるのかを確認し、積極的に利用することをおすすめします。

通常、大規模修繕の費用は住民が修繕積立金を集めてまかないますが、補助金や助成金を利用することでマンション住民の負担を減らすこともできます。

複数の会社に見積もり依頼をして、適正価格の施工会社に依頼することも重要です。

複数の会社に見積もりを依頼することを「相見積もり」といいます。

相見積もりを行い、複数社のプランや費用を比較検討すると、大規模修繕の費用を節約することができるケースもあります。

また、相見積もりをしていることを施工会社に伝えることで、相場から大きく逸脱した見積もりを受けることはないはずです。

しかし、複数の会社に見積もりを依頼するのは面倒だと感じる方も多いかもしれません。

そのような場合は、「複数社に一度に見積もり依頼ができる比較サイト」の利用が便利です。

まとめ

比較サイトは基本的に無料で利用できます。

サイトを通して複数の会社に見積もりを依頼し、費用を一気に比較検討することができるため、手間もかかりません。

信頼できる施工会社を見つけるためにも、複数社の中から選ぶようにしましょう。

また、大規模修繕の際には以下のポイントも押さえておくことが重要です。

追加費用がかかることがある点や、同じ戸数でも階数によって費用が変わる点は、見落としやすいポイントです。

特に大規模修繕が初めての経験となる方は、これらに注意して事前に把握しておきましょう。

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